家を建てることへの憧れが強すぎたわたしが、10年かかって夢を叶えた話

家づくり

なんでわたしはこんなに家が好きなんだろう。

 

それは自分の家が好き、という意味ではなくて、「家」というもの自体に無性に心が反応してしまう。

映画やドラマを見ていても、背景にばかり目が行く。

変態的に家が好き

 

自分の変態性(まわりから異常に思われるほどに、好き)に気づいたのは、

ディズニー映画の「Mr.インクレディブル」をテレビでみていたとき。

主人公たちが住んでいる家があまりにも素敵で、

テレビに映る家のシーンを一時停止しながら、テレビ画面をいくつも写真に撮っていく。

(Mr.インクレディブルの背景を担当した方にお礼を言いたい!)

 

チャーリーズエンジェルの主人公たちの秘密の住み家は

ジョンロートナーという建築家のシーツ/ゴールドスタイン邸

わたしの憧れの家。

(っていうか、ここのガラス開くの!?)

 

ハリウッド映画は、すばらしい家の宝庫。

マイインターンのダイニングキッチンと古い建物を改装したオフィス。

あまりにも有名な、セックスアンドザシティのキャシーのクローゼット。

セリフでは説明されない登場人物の性格や生活が、背景の家のセットからにじみでてくる。

映画を見ているのか、背景を見ているのか、自分でもよくわからない。

 

しかし、家は見て楽しむだけではない。

書いて楽しむこともできる。

趣味は「間取りを考えること」

 

いつからか、趣味の欄に「間取りを考えること」が書き足され、

カフェでノートに自分の夢の家を描くことが、至福のひと時。

自分で自分に土地の課題を出し、この土地だったらどんな家を建てるかという問題に答える。

休みの日にはそんな生活をしながら、仕事でもお客様の実際の住宅改修を行う。

本屋さんに頻繁にパトロールに行き、住宅系の雑誌と、インテリア本、主婦雑誌には一通り目を通す。

 

それらを、勉強のためだとか、うまくなるためだとか、仕事のための努力だとか思ったことは一度もなかった。

オタクにとって、それは無意識のうちにやってしまうこと。

すべては自分の将来の家の準備でしかなかった。

自分の家のために書いた間取りは数えていないけど、200枚とか300枚とか。それくらい。

 

本気で家を建てることにした

 

10年間、やりたいことリストの一番上で不動の一位を死守してきた「家を建てる」ということ。

好きすぎるあまり、そして仕事にしているがゆえに、

自分の理想の家にはお金がかかることを知っているし、

自分の貯金額や年収では厳しいことも知っているし、

かといって、分相応?な予算の範囲では、わたしはわたし自身を満足させてあげられないだろうと思い込んでいた。

そんな言い訳をしながら、夢を現実にしないで、10年の月日が経ってしまった。

 

「もう、いいでしょう。」

 

ある年の誕生日が来て、相変わらず、またリストを作っていた時、

ふいにわたしはそう思った。

「もう夢を叶えてもいいんじゃない?

消費税10%に上がるみたいだしその前に建てたほうがいいよ。

それに今、金利めちゃめちゃ低くなってるよ!」

 

自分にあらゆるメリットをプレゼンして、営業をかけた。

 

人の背中を押すのは得意なのに、自分の行動にはがっつりブレーキをかけてしまうタイプ。

決断するには、いろいろと条件が必要だったのだ。

あんなに叶えたい夢だったのに、迷って迷って迷って、ようやく

わたしは旦那さんに宣言した。

「わたし、本気で家を建てることにした!」

 

住宅展示場で味わったモヤモヤ

 

まずは、旦那さんとも意見のすり合わせが必要と考えたし、

やっぱりスタンダードなルートも通ったほうがいいだろうということで、

大手のハウスメーカーの家が一堂に会する、住宅展示場に行ってみた。

 

広い、大きい、立派、最新。

 

だけど、なにも心に響かない。

心が震えない。

 

「Mr.インクレディブル」の家を見た時のような、

「西の魔女が死んだ」のウッドデッキに、ときめきがとまらなかったような、

わたしの家に対する10年来のつもりつもった憧れを、

「最新の水廻り設備」とか「高層ビル並みの耐震技術」とかで汚すんじゃねー!ドーン!

 

そんな気持ちが、確実に顔に出ていたと思う。

言葉の端々で気づかれてしまい、同業なのを勘繰られながら、受ける営業トーク。

へぇーすごいですね。というひきつった笑顔で答える自分。

 

ハウスメーカーさんを否定しているわけではないんです。

練りに練られたプロダクト。安全性。機能性。効率化。

どれも住宅を建てるときには欠かすことのできない、素晴らしいもの。

 

だけど、いざ自分が家を建てるスタートラインに立った時、

いきなりそこを説明されても、夢が膨らまないんです。

なぜ、家を建てたいのか

 

もっと、

どんな暮らしのシーンを見ながら生活するのか。

家族はそこでどんなふうに笑っているのか。

その何気ない笑い声の背景には、どんな景色が待っているのか。

今、大変な家事がどんなふうにスムーズになるのか。

その家事を積極的に自分でコントロールできているような気持ちにはなれるのか。

家族とわたしは、その家で心地よく、リラックスした幸せな気持ちになれているのか。

そこのところをね、膨らましたいわけですよ。

 

わたしはずっと家を建てることが夢だったけど、

家を建てること自体が目的になっちゃダメ。

その家でしあわせに暮らして、あの時感じた、心が潤うような素敵なシーンが日常になること。

それが叶えられる家が建てたい。

 

残念ながら、この思いを、

今目の前で自社のセールストークを最後まで話しきることに集中している、営業の彼と分かち合うことはできなそうだなぁ。

 

その日の帰り道、

わたしは、自分の家を自分でプロデュースすることに決めた。

 

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